大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(つ)32 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

本件抗告の理由は、本案たる前記被告事件について、東京高等裁判所は上告審と

して、昭和二二年九月二七日の公判期日に公判を開いたのであるが、同期日には弁

護人において出廷不能のため、延期申請をなし欠席したに拘らず、同裁判所は被告

人並に弁護人不出頭のまゝ審理を終結し、裁判は後刻宣告する旨を宣し、一旦公判

期日を閉ぢた上、被告人並に弁護人に対し適法な召喚手続を執ることなく、同日後

刻更に裁判言渡のための公判を開廷し、上告棄却の決定をした。それがため、被告

人も弁護人も右裁判の宣告があつたことを知らず、上訴提起期間内に抗告の申立を

することが出来なかつた次第である。そこで被告人等は原裁判所たる東京高等裁判

所に対し、本件上訴権回復の申立をしたところ、同裁判所は従来法廷において、当

然の手続として行われて来た慣行に照し、右上告棄却の決定は審理のための前記公

判期日自体において宣告されたものであつて、別の公判期日において改めて宣告さ

れたものではないと解し、右公判期日に被告人並に弁護人を召喚してあれば、裁判

宣告のため、更に召喚手続をする必要がないとして、右申立を却下する決定をした。

しかし、審理のための公判期日と裁判言渡のための公判期日とは、別個の公判期日

であるから裁判言渡期日には更に弁護人の召喚を必要とするものであつて、右決定

がこれを必要でないと断定し本件上訴権回復の申立を却下したことは失当であると

云うにある。

しかし、最高裁判所に対しては、刑訴応急措置法第一八条のように、特に最高裁

判所に抗告を申立てることを許された場合の外は、抗告をすることが許されないも

のであることは既に当裁判所の判例とするところである。(昭和二二年(つ)第七

号、同年一二月八日第一小法廷決定)。本件抗告が右のような抗告でないことは、

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前記論旨自体から明白であるから旧刑事訴訟法第四六六条第一項により主文の如く

決定する。

本決定は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二四年五月一八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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